ドラえもんコミックス第33巻より「さらばキー坊」のあらすじをお伝えします。
のび太の家の裏山が地域開発によって、団地になるといいます。
緑豊かな裏山が大好きなのび太はさびしがり、そこから一株の木を持ってきてしまいます。
その一株の木を「キー坊」と名付け育てますが、「キー坊」はしだいに学習し、自分たち植物が抱える運命を知っていきます。
ドラえもん「さらばキー坊」は1985年初版当時から35年経った今でも、森林伐採による問題を私たちに投げかけてくれるお話です。
この記事でわかること
- ドラえもん「さらばキー坊」(コミックス第33巻)あらすじ
- ドラえもん ひみつ道具「植物自動化液」概要
- ドラえもん「さらばキー坊」から学ぶ「世界の森林を守るために私たちができること」
Contents
ドラえもんコミックス第33巻「さらばキー坊」(あらすじ)
どこかの惑星が、地球の植物が減ってきていると嘆き、問題視しています。
宇宙から見た地球
宇宙人が、地球のある場所を調査しています。
一面、緑に覆われた部分が100年後の同じ場所では半分以上が住宅地や道路に変わっていると分析。
これから調査隊を送って調べ、その結果によってはしかるべき手をうつと宇宙人が言っています。
裏山が団地に変わる
ドラえもんとのび太は裏山にいました。
この辺に団地ができるので、変わっていく裏山に寂しさを感じています。
どんぐりを拾ったり、木いちごをつんだりするのがもうできなくなってしまうのです。
そして、木の苗を見つけ、このままではかわいそうだと持って帰ります。
植物自動化液で「キー坊」になる
のび太は木の苗を自分の家の庭に植えようと思いました。
するとのび太ママに止められます。
「せまくなるから、これ以上植えちゃいけません!」と。
そこでドラえもんはひみつ道具の「植物自動化液」を出しました。
木の苗はその液で足が生え、自由に動けるようになりました。
「キー坊」の成長
「キー坊」は見るもの、聞くものをすべて吸収し、みるみる成長します。
「キー坊」の成長過程は次の通りです。
- まんががわかる
- まんがを読んであげると字を覚える
- 勉強に興味津々
- テレビをみて情報を得る(特に教養番組大好き)
- まんがにあきると、のび太パパの難しい本も読破
- 新聞も読みこなす
宇宙からやってきた植物型宇宙人
そのころ宇宙から調査隊がやってきて、地球の植物について調べ上げました。
その調査結果は次の通りです。
地球における植物の実態調査報告書
調査目的
地球の写真から緑が減ったと見れるので、植物の状態を確認するため
調査方法
宇宙からやってきた植物調査隊による目視調査
調査対象
調査結果
- 地球の植物は話すことも歩くこともできない。
- 進化から取り残された種族である。
- 地球を支配しているのは『ニンゲン』という動物である。
- 『ニンゲン』が植物を倒し、住む場所をうばっている。
- 『ニンゲン』は空気や水や土地を汚しつくしている。
- この状態が続くと、地球植物は絶滅の恐れもありうる。
以上
「キー坊」が現実を知る
ドラえもんとのび太は「キー坊」を裏山につれていきました。
「キー坊」は仲間たちにあえて楽しそうです。
ドラえもんとのび太は今後の裏山について話していました。
「木も草も切り倒されて、掘り起こされて・・・なんとか助けたいけど。」と。
それを聞いていた「キー坊」はショックを受けて走り去ってしまいました。
「キー坊」が地球の良さを訴える
突然あたりが暗くなり、ドラえもんとのび太は何かに吸い上げられました。
気づくとそこは植物型宇宙人の宇宙船のなかでした。
地球の植物を全部運ぶという計画に、ドラえもんとのび太は抗議しました。
「悪いのはニンゲンだ。お前らは植物を絶滅させるに違いない。」という植物型宇宙人に対して、「それは違います。」と名乗りあげたのはキー坊でした。
キー坊は切実に地球の良さを訴えました。
地球の動物と植物は助け合って生きていること。
動物は植物を食べるが、動物が死ぬと土にかえって植物を育てること。
鳥はタネを運んでくれること。
花の蜜を吸う虫は花粉をばいかいしてくれること。
植物を愛し、大事に育ててくれているニンゲンもおおぜいいること。
そして、何より植物は動物の吐き出す炭酸ガスを吸収して生きていること。
これを聞いた植物型宇宙人は計画を取りやめ引き上げることになりました。
100年後の地球(ここがオチ)
最後に植物型宇宙人は言い残して帰りました。
「100年後、地球が今よりも荒れていたら、もどってくるぞ!」と。
そして「キー坊」は進化した植物文明をみたいと宇宙に行ってしまいました。
さよなら「キー坊」!
ココがオチ
こんな一騒動があったのもつゆしらず、のび太ママはカンカンに怒って玄関ドアの前に立っていました。「こんなおそくまで、どこをうろついてたの!?」怒られるのび太とドラえもん。

ドラえもんのひみつ道具「植物自動化液」概要
植物自動化液の取扱説明書
- 植物の根っこにかけるだけで足が生え自由に動ける
- 水に肥料を混ぜておくだけで、植物は勝手に水分と養分を取る
コミックス第33巻より引用
ドラえもん「さらばキー坊」から学ぶ「世界の森林を守るために私たちができること」
世界の森林の現状
森林伐採のスピードは、想像以上のものがあります。
環境省によると、2015年の時点で、世界の森林面積は約39.9億ヘクタールで全陸地面積の30.6%を占めています。
世界の森林は減少を続けており、毎年330万ヘクタールがなくなっているのです。
これは1分間に東京ドーム約2個分に相当する森林面積が減少している計算になります。
特に南アメリカ、アフリカなどの熱帯の森林を中心に減少しています。
一方、アジアやヨーロッパは増加している国もあります。
世界資源研究所(WRI)の報告では、世界の原生林は文明が始まった8000年前に比べて、その8割がすでに消滅しているといわれています。
環境省HPより引用
森林の大切な役割
森林では樹木や草花が生きています。
さらにその花や実をエサにしている動物がたくさん生息しています。
森林は生物多様性を保つ上では重要な役割を持っていることがわかります。
また、樹木は光合成によって二酸化炭素を吸収し、炭素を樹木内にためることによって、二酸化炭素の大気放出が緩やかになリます。
このことからも地球温暖化の緩和に貢献することが期待されています。
森林が減少している原因
森林の減少や劣化にはさまざまな原因が考えられます。
世界の人口とそれに伴う食料やエネルギー需要の増加で森林が農地などほかの用途に転換されています。
例えば東南アジアではアブラヤシの農園、アマゾンではサトウキビ農園や牧場などに変わっているのです。
また、違法伐採も問題です。
違法伐採木材が不当に安価で流通することで、森林を育て管理する経営を妨げることが指摘されています。
世界の森林を守るために私たちができること
私たちの生活は森林に支えられています。
森林は私たちが吐き出す二酸化炭素を吸収して酸素にし、川に流れ出す水も木々が蓄えてきれいにしてくれています。
ある程度の雨が降れば、木々の根が地面を支えて土砂崩れを防いでくれるでしょう。
木材としては身近な文房具や住宅、家具などに生まれ変わります。
その森林を守るために私たちができることとしては、森林認証マークついた商品を購入すること。
森林認証マーク(環境省HPより引用)
また、地球温暖化を緩和するために、エアコンの設定温度の調節をしたり過剰に使わないこと。
自動車よりも電車やバスを利用すること。
自動車で移動するときはアイドリングストップを心がけることなどです。
取り返しがつかないレベルにならないように、小さいことかもしれませんが、意識していきたいですね。