長野市の公園、青木島遊園地の廃止問題は、子どもファーストを掲げる荻野市長がいる長野市がたった1世帯の住民の苦情によって子どもの遊び場である公園を廃止にしたことで物議を醸しています。廃止した裏には苦情以外の事情もあるのではないかとの声がありました。
長野市青木島遊園地廃止までの流れ
青木島遊園地の廃止についての資料を長野市議会議員の小泉一真氏のツイッターより引用させていただきます。
資料を簡単にまとめます。
1.開設の経緯
- 平成16年(2004年)4月1日開設。
- 土地は借地
- 愛護会会長は児童センター館長、構成は館長及び児童センターの保護者
2.苦情に対する対応の確認(弁護士回答)
- 法的には遊園地を通常の利用の仕方で遊ぶこと、またその騒音が周囲に与える影響については受忍(我慢)できる範囲とされているため、普通に遊んでいい。
3.廃止に至る経緯
《苦情者の声》
- 平成16年の遊園地開設当初から苦情主は騒音に苦しんできた。
- 児童センター、遊園地の建設に関し苦情主に説明がなかった。
- 花火禁止や公園灯の時間変更、入り口、遊具移設、植木の植え替えなど苦情主からの要望を公園緑地課で対応してきた。
- 法的には普通の利用なら法的ないだが、そもそも通常の利用ではない。
- 常識外れの使い方、住環境としてありえない、遊園地ができたことによって良いことはなかった。1日100台の車がお迎えに来る児童館を作ったのは想像力のかけらもない。
- 子供たちが元気に遊ぶことに対して、ご理解いただけないかと言われても、こんな思いを18年間もしてきた。無理である。考えは変らない。
- 遊園地の廃止には大賛成。
《利用者の声》
- 弁護士の見解を受けても子どもを遊ばせることで苦情者からの叱責や注意が子どもに与える影響を考えると、今の状況では児童センターの児童は遊園地を利用できない。愛護会はしない。(こども政策課)
- 5人以下で遊ばせてきたが、その後も苦情を言われ令和3年3月から一切遊ばせていない。愛護会はもうできない。(青木島児童センター)
- 会話をしない0〜1歳時の少人数で利用している。その他の園児は小学校の校庭を利用させてもらっている。愛護会もできない(青木島保育園)
- 苦情の為当初から利用しなくなったが、令和3年6月に久し振りに遊園地を利用した際、苦情があったのでそれ以降利用していない。だから愛護会はできない。(青木島小学校)
- 子どもは声を出して遊ぶのは当たり前で、それを辞めてくれというのは理不尽であるが、使えない遊園地をこのまま存続するのもいかがなものか。廃止するのは仕方がない。児童センターで利用しないのであれば廃止したほうが良い。(青木島区長会)
4.地権者への説明
- 令和4年2月 遊園地廃止する旨説明し、了承を得た。
- 令和4年3月30日付けで青木島遊園地復旧方針に係る同意書の取り交わし。
- 令和5年3月31日までに更地にして変換する方針を高等にて説明。
5.廃止の決定要因
- 苦情主からの苦情(苦情により遊園地が利用できない状態)
- 愛護会の解散(地元要望でできた遊園地なのに愛護活動が継続できない)
- 廃止要望(地元から廃止要望が提出されたこと)
- 借地(利用できない遊園地に借地料をはらっていること)
6.廃止の考え方
- 青木島遊園地の開設の場所は当初地元区長会が地権者と交渉し決めた。
- 当時は児童センター、保育園、小学校と隣接しているため適地と判断された。
- しかし、それら多くの施設によって一度に訪れる利用者があまりにも多い状況で使用される環境であり、近隣の住環境を考慮すると、必ずしも適地ではなかったと言える。
- 長野市内の住宅街の遊園地で、児童センター、保育園、小学校の隣接している遊園地はなく、まれなケース
- こうした事が現在遊園地が使われていない状況につながっており、この状況を継続していくことを賢明ではないという考え。
- ある意味、皆が被害者。この状況を終わらせる必要がある。
7.廃止に向けた今後の進め方
- 廃止の看板を立て、1ヶ月ほど住民の反応を見てから入札に入れる。その後は工事を淡々と進める。
- 懸念材料はフェンスの提示しただけでは周知が徹底されたとは言えず、着工してから「なんで廃止か」問い合わせがあった場合、話がややこしくなる。説明責任を果たす前の着工は避けるべき。
8.廃止スケジュール
青木島遊園地の現状「利用中止で閑散」
現在の青木島遊園地は地面には落ち葉が積もり、ひっそりとしています。夕方の時間でも子どもの姿はありません。借地であることから原状復帰して返還するため、12月ころから工事が始まるとのことです。青木島遊園地は2023年3月に廃止が決まっています。
児童センターの職員や保護者たちが、公園の草取りなど遊園地の管理をしていましたが、去年の3月から公園を利用しなくなったことから管理もやめました。
長野市公園緑地課「非常に苦しい判断」
何人くらいの意見だったのか?
我々の方に直接ご意見をいただいているのは1軒のお宅ですけども
なぜ1人の意見をそこまで?
児童センターを使う方は2年間で入れ替えになるが、そこにお住まいの方はそこで生活をしていかなきゃいけない
苦情住民が寄せたクレーム
・子どもの声がうるさい
・ボールの宅地への飛び込み
・ボールを取りにくる際、宅地内の植栽の踏み荒らし
・夜間はサッカーのリフティング
・花火の音なども発生した
苦情住民のクレームに対し、長野市は苦情住民の家になるべく近づかないようツツジなど植栽を植えることで距離をとったり、出入り口の場所を変更、ボール遊びを禁止しました。
それでもクレームは続いたということです。
話し合いを続けたが解決策が見いだせなかったと話す公園緑地課の平沢課長。報道陣を前にした会見では次のように話しました。
われわれからすると遊園地を造ったら使ってほしいし、子どもたちには遊んでほしいという思いが強いので本当に残念ですけど、ほかに選択肢がなかった。われわれとしても非常に苦しい判断で廃止を決断した。
青木島児童センター「子どもを静かに遊ばせるなんてできない」
子どもたちは施設のなかで、ボール遊びをしていました。
子どもは外で元気に走り回って過ごしてもらうのが一番楽しいと思うが。(廃止は)残念だし、子どもに申し訳ない。
Q.きっかけは1人の住民の声?
そうです。
きっかけはその方の苦情と言うかね、それが1番のきっかけですね。
苦情住民は長野市だけでなく、青木島児童センターにも直接苦情を言いに来ました。
青木島児童センターは「静かに遊ばせるのは難しい」と子どもたちに遊園地を使わせない方針を決めました。2021年3月から公園の利用を中止しています。
公園廃止反対派「子どもを公園で遊ばせてあげたかった」
子どもだからずっと静かにしろって難しいですよね。
ちょっと子どもには酷ですよね。
公園があるところで子どものためにもいいかなと思って(家を)買ったので、それが突然壊しますと連絡があって、ちょっとショックでしたね。
まあ聞こえますよね、別に子どもの声は騒音だという人もいるかもしれないけど、私は別にうるさいとは思っていない(近隣住民)
青木島公園廃止「クレームだけでない他の理由」
「子どもの声がうるさい」から始まるあるクレーマーの声がきっかけとされる青木島遊園地廃止問題ですが、その他にも理由があります。
青木島遊園地の公園管理の問題です。昨年3月に利用を中止するまでは公園を管理する「愛護会」がありました。利用を中止することで、青木島児童センター、青木島小学校、青木島保育園が愛護会をできないと辞退することになり、地区住民に委ねられましたが、高齢化などの理由で管理が難しいと廃止はやむを得ないとの決定をしました。
もう一つは青木島遊園地は借地だということです。
小泉一真市議「長野市は上級国民の苦情をうけいれすぎ」
本当にこんなおかしいことがあるのかと思うくらいおかしくて1軒なんですよ、1世帯の方のクレームなんですよ。
そのクレームに対して次々次々言うこと聞いちゃって
提案を陳情したって議員が言ったってそんなことやってくれないですよ。ここまで1人の言うことを聞いちゃうっていうのはちょっと考えられない。
小泉一真市議は青木島遊園地の廃止に異議をとなえ、問題提起した長野市議会議員です。
12月9日の長野市議会で、荻原健司市長に直接質問を予定しています。
荻原市長が青木島遊園地廃止問題についてどのように言及するのか、注目が集まっています。
【追記】長野市荻原健司市長「廃止方針は撤回しない」
12月12日にの記者会見で長野市長荻原健司氏が青木島遊園地廃止問題について言及しました。
「非常に全国的にも関心を呼んでいると、受け止めている」
「直接の申し出という意味では1世帯と聞いているが、ただ意見というのは存廃を含めて、様々あったと思います。私としては多くの意見があっての地元からの要望と受け止めている」
「それ(子どもの声)を騒音と感じるのかどうかは、個人の受け止め方で大きな違いがある。一人ひとりの受け止め方に耳を傾けるのは多かれ少なかれ行政の責任だと思う」(荻原健司長野市長)
青木島遊園地廃止問題は、廃止の方向で動くということです。
苦情を入れた人物は児童センターの子どもたちが40〜50人の集団で遊ぶことについて、「静かに遊ぶ方法を考えてくれ」「静かなら別に公園で遊んでも良い」という見解でした。
苦情住民は児童を4人から5人の少人数に分けて交代で遊ばせるということを提案してきましたが、児童センター側は大勢の子どもたちを4,5人にわけて交代なんて無理だねという話になり、結局公園を利用しない道を選んでしまったということです。
公園を利用しないから、愛護会として管理もできないとなり他に管理する人もいないということから長野市もこのまま使える状態にはならないと判断し「公園廃止」を決定しました。
青木島遊園地廃止「ほほえむ信州大学名誉教授」
遊園地の廃止には大賛成。(苦情住民)
18年間、私たちも我慢してきた。廃止にしてくださいとは言っていない。使い方を考えてくださいと、廃止決定はびっくりしている。(苦情住民)
コメント
となりに普通の家は一軒だけ。昔は河原に行って遊んだと思う。古い町なら学校の校庭開放してる。児童遊園地は数年間使わせてもらって移動していく。 土地貸してる人が朝夕静かに使ってとか老人の家は昼寝するか昼間仕事して早く寝るかどっちかだから、車が車庫にあるときは、公園でも校庭と思って静かに遊ぶか散歩の休み場所にするとよかった。道があとからできて、知人か昔の親族が貸した土地に公園もできて、窓開けたいのにうるさいから閉めて、黙考したいか音楽聴きたいのに笑い声や奇声や怒鳴り声が自分が楽しくない時に聞こえて、隣近所は気にしてないから嫌なんだろう。自分はうるさくできないから。
私は松本市在住です。が日々このニュースを見るたびに「市長はこのような対応しか出来ないんだな」とがっかりしてしまいました。こんな事言いたくないけど····不祥事を起こす→辞任する→市政から永久追放と言う流れに絶対なる。
状況を整理して書いているのはわかるが、
「上級国民の苦情」「ほほえむ信州大学名誉教授」
こういう表現には悪意を感じます。
これではネットリンチへと誘導しているようなもの。
また、小泉一真議員についてもよく調べてほしいです。いろいろ問題がある議員のようです。
そもそも、この問題は、他の公園の近くの住人が「青木島の公園が廃止になったら、うちの公園に子供たちが流れてきてうるさくなると困るからなんとかしてくれ」といいう陳情をうけて、小泉議員が騒ぎ出したようだ。